チェリモヤ品種いろいろ

07/09/10

 南米アンデス山地に原生したチェリモヤは,中南米はもとより,スペインの航海者らによって北米からヨーロッパの各国に広げられ,それぞれの国で改良されて多様な品種が生まれています.

  世界有数のチェリモヤ産地,スペインのアンダルシアに在る国立La Mayora試験場が品種選抜のために各国から集めたものだけでも250品種にのぼっています.当園では,同試験場からスペイン,南米等の優良品種を数種譲り受けて試作しています.

  果面に鱗状の紋様のあるもの,乳頭状の突起のあるもの,果皮のなめらかなもの,心臓型や丸形のものなど,またその中間のものもあり,大きさも様々でです.

 

品種には5タイプ


スムース(Smoosth types):外観は牛心梨に似て果皮が滑らかでで,Laevis typesとも呼ばれ,Booth,Lisa,Smoothyなどの品種がこのタイプに入ります.

***************************************************************

フィンガープリントFingerprint types

ホワイト クリックで原寸画像 当園育成の「粋豊」 クリックで原寸画像  果面に指先で押さえたような鱗状の紋様が規則的に並び,緑色の果皮は成熟期になると緑黄色になる.チェリモヤのなかでは果面が比較的滑らかで,Impressa とも呼ばれます.甘味と香気が強く,優良品種が多い.

 カリフォルニアで育成されたWhiteHoneyhart,スペインの主産地アンダルシアの主力品種Fino De Jeteや南米ペルーのCumbe,また,当園で育成した我が国初の登録品種「粋豊:すいほう」もこのタイプで,優良品種が多く,典型的な心臓型の果形です.

ホワイト

粋豊

Fino De Jete クリックで原寸画像を表示 Cumbe クリックで原寸画像 Cholan クリックで拡大画像を表示します Campas クリックで拡大画像を表示します 当園で試作中の4品種

Fino De Jete

Cumbe

Cholan

Campas

 

*****************************************************

アンボネート(Umbonate types

鱗状の紋様の一つひとつに小さな突起があり,果皮色は濃い緑色です.他のタイプに比べると種子が多く,酸味が強いとされています.

スペインのPina,Pinchud,Amargoso,カリフォルニアで育成されたBigsister,オーストラリアのBalwinなどがあります.

ビッグシスター果実 クリックで原寸画像を表示します

**********************************************

ツゥバキュレート(Tuberculate types
エルバンポ果実 クリックで原寸画像を表示します 幼果の頃には果面にこぶ状の小突起があるが,成熟に近づくにつれて隆起が薄らいでくる.果実は丸形であまり大きくないが食味はよい.果面のこぶ状突起が輸送中に損傷し易いのが欠点です

褐色腐敗病菌による株腐れ病に抵抗性があるとされている.カリフォルニアで育成された早熟品種のEl.Bumpoがこれに属します.

 

****************************************************************

マミレート(Mammilate types

若い果実は果面に乳頭状の突起があるが,成熟期になると果基部だけに隆起が残り,他の部分は比較的滑らかになる.果皮が厚いので輸送性があるようです.果肉は僅かに酸味があり,風味がよい.

代表的品種にはスペインのMantecosa,Improved Campa,カリフォルニアで育成されたSaborがあります.

セイバー果実

わかやまTropicsでの栽培品種

ホワイトWhiteカリフォルニアで発見・育成されたフィンガープリントタイプで,1987年,和歌山県果樹園芸試験場がカリフォルニアから導入した品種.

  果形は心臓型でよく揃い,品質よく糖度は25%以上とよく高く安定し,極めて美味しい品種です.ただ,果実は暑さに弱く,成熟期に気温が高いと十分に肥大しないうちに成熟するので400g程度の中果になる.

 樹勢は旺盛で,結実を始めるのがやや遅く,肥沃な土壌では結果期に入るまでは施肥は控えたほうがよさそうです.葉はやや光沢のある緑色で大きく,新梢は硬化すると灰白色になる.

粋豊の結実状況

hidarisankaku.gif (913 バイト)当園での育成新品種粋豊”(すいほう)
  の結実状況
(8月13日 発育途上の果実)

2001年8月,農林水産省に品種登録した品種です.
 果実はフィンガープリントタイプで,果形は心臓型.果皮色は,やや青みを帯びた浅緑〜浅黄緑色で微かに果粉を生じる.

 樹勢は中庸で葉身の波打ち程度が大きいほか,花弁が長大で大きな花を咲かせるのが特徴で,受粉効果が安定しており,結実率が高いのも特色です.

果実はホワイトに比べて大きく,微かに酸味があって糖度高く,食味が優れている.(詳しくはこちらをどうぞ


その他品種の栽培特性
●クンベ(Cumbe):南米ペルーの主力品種で、果実は比較的大きい。特性の詳細は調査中です。
●チョラン(Cholan:果皮が光沢があり、食味は良好。特性の詳細は調査中です。
●フィノ・デ・ヘテ(Fino De Jete):スペインのヘテバレー原産で、果皮が平滑。スペインの主力品種。
●カンパス(Campas)果皮薄く光沢があり、食味は良好。特性調査中です。
●エルバンポ(El Bumpo:ツゥバキュレートタイプで果面に乳頭状の突起があり,外観は極めて野趣に富んでいる.
 果実は中〜大果で成熟すると緑黄色になる.果肉は柔らかく,食味はあっさりして良好ですが,追熟すると果皮が柔らかいので突起部が傷つきやすい.若木の生長は旺盛ですが,結果期に入ると樹勢はあまり強くないようです.
●スペースハート(Space hart:アンボネートタイプの大果系品種ですが,樹勢が落ち着くと果面のアンボネート突起がなくなり,フィンガープリントタイプです.
 果実は平均600g,大きなものは1kgを超え,果形は長円錐形で成熟すると果皮は黄緑色となる.甘味は強くはないが,バナナ風味があります.
  成熟日数は5ヶ月以上で,気温が涼しくなると糖度が上がりにくい.大果で結実性がよいので収量は多いが,結果過多になりやすい.果実は夏の暑さに比較的強いようです.

ご覧になりたいページ見出しをクリックして下さいsita.gif (910 バイト)

1.品種と栽培特性 2.育苗と植え付け 3.整枝せん定と枝管理
4.受粉の適期と受粉法 5.摘果と果実管理 土壌と養水分管理
7.栽培ハウスとその管理 8.病害虫の防除 9.生理障害と対策
10.収穫・出荷法 11.追熟と食べ方 12.参考資料・文献

魅惑のくだものチェリモヤ 初期画面に戻る